2008年4月16日水曜日

研修医に見えない?

 一年目研修医の山本です。やしろ先生とは違う意味で、私も一目で見分けがつきます。
というより、どう見ても研修医には見えません。 なぜなら、上は23才、下が20才の二人の子を持つ親父、自慢ではありませんが、ケネディ大統領の暗殺シーンを史上初の衛星「生」放送で見た、オヤジ世代なのですから。

 オリエンテーションも2週目半ばを過ぎ、昨日の医局朝会にて、年齢についてのプチカミングアウトを果たした今、昨年暮れのマッチングの面接のことを、ことさら懐かしく思い出しています。あの時、白髪混じりの親父を目の前にして、当時副院長の田村先生が、優しく、こう仰ったのでした。「山本さん、あなたのような生き方について、五木寛之が『林住期』という本に書いていますよ」。

 五木寛之と言えば、若い方ではご存じない方も多いと思いますが、60~70年代の若者に多大な影響を受けた、今の若者にとっての村上春樹以上のカリスマ的作家、面接の後、すぐに本屋に走り、むさぼり読んだのでした。その内容を詳細にご紹介するには紙面が足りませんが、要約しますと、人生100年とし、それを四半期ごとに、「学住期」、「家住期」、「林住期」「遊行期」に分ける。「学住期」は、しっかり学ぶ、「家住期」は、家族を養い育てるためにしっかり働く、「林住期」は、家を離れて「林」すなわち、世間に出でて、世間に恩返しをする、「遊行期」は、人生の最後を楽しく過ごす、という、インド哲学にある人生観を紹介したものです。お医者様として「家住期」と「林住期」を切れ目なく過ごされる多くの先生方にはどうということのない内容かもしれませんが、そんな大それた哲学・信念を持っていたわけでもなく、ただ、がむしゃらに生きて来て、いつまでも上手く歳が取れないことに多少の引け目を感じていた自分は、この本には、本当に救われたのでした。
(その田村先生は院長になられてブログのタイトルを「多士済々」と変えられました。
これも、私のような、異質の研修生への深いご配慮ではないか、と感謝の思いを新たにする毎日です(自意識過剰か?)) 

 随分、話が長くなってしまいました。最後に。私のローテーション、「整形外科」スタートとなりました。実は、小さい頃から救急箱が大好きで、自分や家族や飼い犬にホータイを巻くのが趣味であった山本「元」少年にとっては、最初の研修先が「整形外科」というのが、なんだかとても嬉しいのであります。

 同期の皆さんは、医者人生の、記念すべき最初の研修先にどんな想いを寄せているでしょうか。こんど、ゆっくりと呑みながら聞いてみることにしましょう。



山本

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