2008年9月2日火曜日

旭丘高校の進路座談会に参加して その2

前回からの続き


  
  医者の一日か。作るならば、見た高校生が、「おれも私も医者になりたい」と思うような、憧れ心を揺さぶる、臨場感のある紹介をしよう、と、気持ち一転、詳細に現場を写真に収めることにした。一緒に麻酔科を回っていた和田先生が、絶大なる協力をしてくれた。麻酔科では手術の谷間での15分昼食などというのもしょっちゅう(でもないか)なのであるが、乗りのいい和田先生が「僕が弁当を買ってきて渡すシーンなんかどうですか、忙しそうでいいんじゃないでしょうか」と提案してくれる。もち採用。かくて彼が笑顔で弁当を差し出すシーンがスライドを飾ることとなった。結局、朝7時から晩10時くらいまでの設定で、手術室を中心に(もちろん、患者様の顔が写らないように配慮しながら)、そこで働く麻酔科医(ほとんど私一人であるが)、甲斐甲斐しく働く看護師の皆さんの姿、麻酔の機器、術野に向かう外科医の姿などを、時系列に並べたスライドを完成させた。



 ほっとしたのもつかの間、最後の会議で、やはり、もう少し明確にメッセージを送ろうじゃないか、という話になり、思いつくまま、「もう決めた君へ」と「まだ迷っている君へ」というタイトルを提案したところ、即採用となり、やはりここは人生経験で、ということで、私が「まだ迷っている君へ」を作ることとなった。本番1週間前のことである。即座に2枚思いついた(プロジェクトXか?)

 最初は「迷っている君へ、迷いの源泉はなんだろ?」2枚目は「迷いへの処方箋」。 私の人生の集大成、とは大げさであるが、人生で壁にぶち当たる毎に自分なりに模索して得た解決策(多くは自分の納得のさせ方)を7項目にまとめた。そして、一枚目の背景にはロダンの「考える人」の写真。

「これはロダンの『迷える人』ですね、うそですね、『考える人』ですね、でもどう見ても、迷い悩んでますね」 というジョークを用意した。(どうしても、関西人の血が騒いでしまうのである)



 2枚目の背景には、大好きな米国の画家ノーマンロックウェル描く、なんとも微笑ましい、老医師と往診先の少女の交流の絵を。(少女が「この子、病気なの」と持ってきたお人形の腕を取って脈をまじめに見ている老先生の姿)

「この先生、人形だからと言って手を抜いてないですよ、指3本を揃えて正確に脈をとってるんですよ、こんな医者になれたらいいですね」とコメントすることに決めた。準備完了、いざ、旭丘高校へ!!


1年目研修医 山本




さらに続く

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